Assessing(データの査定)

全自動収集は本当に最適解か?

自動データ収集は本当に全自動で良いのか?
品質データ収集の自動化が始まっていますが、データ収集は本当に全自動で良いでしょうか?検査や計測業務に従事される方なら容易に想像する事が出来ると思いますが、計測ミスをしたり、誤った対象を計測してしまう事も日常的に起こり得ます。また製造設備に対し、常に十分な数の検査、計測設備がある事は少なく、常時流れている製品以外のイレギュラーな製品の検査、計測がスポット依頼で入る事もあります。

このような場合、一旦データ収集を止めて別の作業を行ったり、計測ミスをした場合は、やり直しのデータ収集に対応できる柔軟なシステムが必要となります。全自動でデータを収集できるのは便利なようですが、製造ラインでは時として不便な事もあります。Q-DASのデータ収集ソフトウェアO-QISは全自動収集に対応する一方、イレギュラーな事態が発生した場合、オペレータがその場でデータを登録するか、否かを査定する機会を与え、必要であれば再検査、再測定を可能にする柔軟性を持たせています。

公差外の理由は?
OK、NGを判定するだけであれば、検査装置や測定機に公差のしきい値を設定しておけば判定できます。しかし工程改善には単発で発生したNGなのか、恒久的な対策が必要なNGなのかを知る必要があります。その為には、まず公差外やエラーの発生原因を調べる事が第一歩となります。

O-QISには公差外やその他のアラーム発生時にポップアップを画面にオペレータに表示し、その場で「原因」、「対策」、またはその両方を入力する機会を設ける事ができます。単発発生のエラーなのか、作業手順や生産条件そのものを見直す必要があるのかが分からなければ、データを取っていても工程改善効果は限定的です。オペレータがその場で入力する事で、管理者は原因を把握し、必要な対策を講じる事ができます。

また入力も作業者の妨げにならないよう、想定される原因については予めリスト化し、選択式の入力方法を設ける事で入力時間を最小化します。

後日、数値データだけを振り返り、公差外やエラーの原因を改めて突き止める事は困難で時間を要する事も多く、発生時に出来る限り情報を取っておく事で、その後の管理、解析が容易になります。 

Q-DASのシステムでは、これら公差外、アラームのデータをデータベースに登録し、アラーム毎の発生率や回数、原因などを後で纏めて見返す事ができます。このデータ査定のプロセスは、後のマネージメント(管理)の効率に影響します。レポーティング(報告)のステップでは集めた公差外、アラームを自動的にまとめた報告書を作成する為、CAMERAコンセプトにおけるA(データの査定)のステップは、その後のM(管理)、E(評価)R(レポーティング)のステップと密接に関わっていると言えます。