下記は「中小企業のIT導入障壁とは?」で紹介した中小企業白書の統計です。
上位3つの理由で導入障壁の8割以上を占めています。
1 | コストが負担できない | 30.6% |
2 | 導入効果が分からない、評価が出来ない | 29.6% |
3 | 従業員がITを使いこなせない | 21.5% |
4 | 業務内容に合ったIT技術や製品がない | 18.0% |
5 | IT導入の旗振り役が務まるような人材がいない | 17.0% |
6 | 適切なアドバイザー等がいない | 9.7% |
7 | 個人情報漏洩のおそれがある | 9.2% |
8 | 技術、ノウハウの流出のおそれがある | 6.6% |
9 | 課題は特にない | 19.8% |
2018年版「中小企業白書」
第2部第4章 第2-4-11図より
当社では、量産機械加工を行っているお客様へ品質データとプロセスデータ(生産設備のデータ)を使った加工プロセス技術のデジタルトランスフォーメーション(以下DX)を提案しています。
従来別々に管理していた加工条件と、計測・検査データを統合し、加工結果を左右する要因を見つけ・プロセスデータ管理により加工結果をコントロールする仕組みを提案しています。
DX推進障壁についてのヒアリングでも、上の統計結果と同様に上位3つの理由が多く聞かれます。これは中小企業だけでなく、大手企業でも共通の課題ではないでしょうか。
理由が分かっているのになかなか解決できないのは何故でしょうか?
表面化しない、原因を深堀する事で、課題が明らかとなります。
1.コスト負担ができない
量産加工では数百万~数千万円の加工設備や検査機器を導入して加工をします。数百万規模のDXシステムの購買能力が無いという企業は殆ど存在しないにも関わらず、コスト負担が出来ないという理由が上位に来ています。理由を少し深堀すると、下記のような課題が挙げられます。
加工技術DX推進のシステムを導入するには加工設備からのプロセスデータ、検査部門の検査/測定データが必要で、それらを繋ぐネットワーク環境、データ管理、処理するデータベース/アプリケーションサーバも必要です。さて、これらの部門を跨いだシステムを構築する費用はどこの部門が負担するのでしょうか?
IT部門でしょうか、製造部門でしょうか、それとも品質管理部門でしょうか?
導入直後の状態のままシステムを使い続ける事は殆どありません。生産条件の変更、設備の入れ替え、生産ライン、セルの組み換えも発生します。他方、システム導入後の保守や改修を請け負うのは一般的にIT部門となりますが、日々の保守業務に加えて生産変更の度にシステムを変更する負担は大きく、DX化が進むにつれ増大する維持費も負担が難しいと言えます。
2.導入効果が分からない、評価ができない
導入障壁の1番目の理由に「コスト負担」が上げられているように、真っ先にお題目として上がるのは「コスト削減効果」です。しかしDXは単にデータを集めれば良い訳ではなく、データを使って様々なアウトプットをする為、運用にはソフトウェアやデータベースが必須です。それらソフトウェアが稼働する為の、サーバやネットワーク環境、ハード、ソフトの保守・運用費もかかる為、必ずしも、短期的なコスト削減には直結しません。
3.従業員がITを使いこなせない
ITが使いこなせないなら、IT人材を補強すれば解決するかと言えば、そうではありません。
上記2つのポイントには共通課題があります。それは工程管理者や検査担当者等のビジネスユーザ側だけで仕事を完結できないという点です。初期導入とシステム保守にIT人材を集中させて維持費を圧縮し、ビジネスユーザによる運用を実現できるかがDX推進のカギとなります。
「仕組み」でDX化課題を解決
当社のDX支援は、特に量産機械加工プロセスに特化しています。DX支援の目的は、DXツールであるソフトウェアを導入して頂く事ではなく、導入後、ユーザ自身がシステムを成長、変更させられる「仕組み」そのものを供給する事にあります。
上記導入課題で説明した通り、加工プロセスDXはシステムを導入してIT人材を揃えただけでは、根本的な課題を解決できません。技術的な課題だけでなく導入障壁をクリアし、運用の課題も解決する「仕組み」を持たなければDX推進の継続は困難です。
当社の得意分野である工作機械、測定機器分野に特化する事で、ユーザが主体的となって発展させるDXを支援します。
当社は加工プロセスDX推進を支援する無料相談を行っております。下記ボタンよりお問合せ下さい。